「スウィープ奏法のすべて」DVDの感想レビュー│実際に購入してみました!
■「スウィープ奏法のすべて」DVDの感想レビュー
こちらでは、市販のギター教材、教則ビデオなど管理人所有のものを勝手にレビューしていますので、
ギターノウハウ習得の際の参考にお役立てください。
今回は、渡辺具義さんの「ギター教則DVD「超絶テクニック完全解析!スウィープ奏法のすべて」 」について
実際に購入してみた感想と評価(レビュー)を紹介したいと思います。
「超絶テクニック完全解析!スウィープ奏法のすべて」
ちなみに、「超絶テクニック完全解析!スウィープ奏法のすべて」の内容は、
タイトルにあるとおり、ギターテクニックのひとつでもあるスウィープ奏法にのみ特化したビデオになっています。
詳しいDVDの内容は以下。
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【収録内容】
■STEP1 スウィープ奏法について
■STEP2 スウィープ奏法 実践フレーズ編
2本弦でのスウィープピッキング/
3本弦でのスウィープピッキング/
4本弦でのスウィープピッキング/
5本弦でのスウィープピッキング/
6本弦でのスウィープピッキング
■STEP3 各種テクニックを交えたスウィープ奏法
ハンマリングオン、プリングオフ&スウィープピッキング/
スライド&スウィープピッキング/
タッピング& スウィープピッキング
■STEP4 エコノミーピッキングでスケール&アルペジオを弾く
■STEP5 スーパーフレーズ
楽譜付き
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こちらのDVDですが、大きく分けて、
実践フレーズとスウィープ奏法のやり方と理論(アルペジオの構成音の説明)という二つの構成になっています。
フレーズが紹介された後に、その弾き方の解説があります。
また、前半がスウィープピッキングの講座で後半がエコノミーピッキングの講座と分かれています。
一通り見た感想としては、前半から後半に行くにつれて、テクニックの難易度が段々と高くなっていき、ラストのスーパーフレーズはスウィープ&エコノミ−ピッキング満載のかなりの超絶度(挑戦しがいのある)になりますが、前半の基本形をマスターすれば、後半のフレーズは前半の応用フレーズになっているので、ちゃんと段階的に指の訓練が出来るようシステムが組まれています。
なので、はじめは一個一個各フレーズ練習を飛ばさずに習得していくことで、ラストのスーパーフレーズまでを、最短で習得できるようになっています。この練習方法はかなり考えられたプログラムだと思います。
ただ、紹介されているフレーズ集が簡単に弾けるレベルのフレーズではないので、ギター初心者にとっては、相当な練習が必要です。一日の練習量にもよりますが、ちゃんときれいに弾くにはギター暦2年〜5年位は必要かなと思います。
■また、このDVDの良いところは、テクニックと合わせて理論ベースでも解説されていて理解できるところです。
スウィープアルペジオを行う場合、大抵、分解したコードトーンを弾くこと(例えば、コードCならドミソ、ミソド、ソドミなど)が要求されますが、そちらも合わせて解説されています。
いきなり、様々なコードアルペジオを弾いて「どうだ!」というのではなく、ワンコードの3和音、例えば、Cコードのドミソ(トライアド)に対し、技術的に一番簡単であろう1〜2弦を使用した際に、スウィープテクニックを当ててみるという、一番簡単なところから始まっているので、スウィープ初心者でもアルペジオ=コードトーンという感覚が理解しやすいと思います。
ただ、スウィープピッキングやエコノミーピッキングというテクニック自体、初心者ではなくある程度基本的な弾き方をマスターした中級者以上がチャレンジするレベルのものということもありますが、各コードの構成音をはじめ、各コードフォームなどある程度理解している前提で話が進みますので、その辺の話を理解していないと、紹介されている理論の話はよくわからないと思います。
単純にスウィープテクニックを映像を見て弾くだけなら、ギター初心者でも”やり方”は習得できると思いますが、弾きながら理論も合わせて勉強したいとなると、前提としてメジャー、マイナーコードを始め、セブンス、フラットナイン、アドナインなど各コードやドレミファソラシドなどスケール構成についても知識として理解しておく必要があります。
個人的に理論はいつもながら、後回しでOKだと思いますが、理論を知ってると、テクニックの応用が効いたり、フレーズの組み立て方などに「そういうことだったのか!」と音楽の謎が解ける瞬間がありますので、興味があれば理論も勉強してみましょう。
この理論と言ってもジャズ講座みたいなものすごくカッチリした専門的な難しいものではなく、ギターの指板上にどう音が配置されているかや、今弾いている音は、○音で、次に引く音との関係は○度で、もうひとつ足すと○コードが作れる、○スケールになるなど、リアルタイムに今自分が何を弾いているかということを客観的に理解していて、こういうふうに音を重ねたり並べていくと、悲しい雰囲気の世界観になるとか、そういう知識の事を指します。
実際、コードフォームだけならまだしも存在するスケールなどの位置をすべて覚えて、それをコード毎に的確にソロを使い分けて弾くのは、個人的には不可能だと思っています。※出来るには相当な訓練が必要。
実際、プロの人でも楽曲内の一部のソロでは理論ベースの組み立てをしてすごいソロを弾いていても、アドリブとかになると、一気にソロレベルが落ちる人が大半で、瞬時に使い分けられる人はごく一部の限られた人だと思います。
■話が脱線してしまいましたが、各フレーズ練習で紹介されているフレーズについては、コードトーンやスケールを弾いたフレーズとして完成されたものが多く、実際のジャムなどで合わせて使うには、使い勝手はあまり良くないです。
たぶんこのレベルのフレーズを瞬時にジャムとかで使える人は相当なレベルです。※フランクギャンバレとか(笑)
なので、ここぞという時に温めておいて一気に使うとか、オリジナルのソロを作る際に用いるなどになると思いますが、指の練習エクササイズとして慣れさせておくには良いフレーズ集と理論解説だと思います。
コードトーンが多いせいもあり、コードの響きは気持ちよいので、自分でこのスウィープフレーズが弾けたときの音空間への依存度は結構高いと思います。
個人的にadd9やマイナーコードが出てくる練習フレーズは、フレーズの響きがかなり好きです。
■最後になりますが、こちらのDVDにもDVD音源に使われているタブ譜がついていますので、DVDを見ながら、指が押さえる場所を客観的に確認できます。
今回は、スウィープピッキングということもありますが、歯ブラシのような山ギリカットフレーズ(タブ譜)がよく出てきます。最終的には、1〜5.6弦をまたぐ様な大フレーズも収録しています。
また、著者の方がエコノミーピッキングにもかなり精通している弾き方をされる方なので、オルタネイトピッキングで弾けるようなフレーズでもあえてエコノミーピッキングですべて弾くという感じもありますので、滑らかなプレイスタイルをマスターした人にはおすすめのDVDです。
「超絶テクニック完全解析!スウィープ奏法のすべて」
■個人的に、スウィープピッキングは、メタル系の楽曲を弾く以外には、それほど表立って出てくるテクニックではないので、それほどギターテクニックとして必須ではないです。
ただ、どういうわけか、フレーズうんぬんというよりかは”スウィープを弾く(やる)”ことに意味があるような、ギターテクニックの種類なので、ある種のギターを弾く醍醐味(陶酔したい)を味わいたい人は、ぜひやってみると良いと思います。依存度が高いテクニックですので。
スウィープの良さは、メロディを弾くのではなくコードを弾くという、響きとコード展開を楽しむ部分がありますが、自分の好きな響きのコードトーンを自分の指できれいに慣らせたときのあのゾクゾクする快感は、弾けた事のある人だけの特権でしょう。スウィープフレーズを聞くのと自分で弾くのはかなり違います。
もし、気持ちの良いスウィープフレーズが見つかったら、難易度に関わらずぜひ挑戦してみましょう。その際には、こちらのDVDが手助けしてくれます。こちらでやり方を学びつつ最終的には、イングウェイやジェイソンベッカー、フランクギャンバレあたりに進んでいくと良いでしょう。
※以下はDVDのサンプル動画です。